今回は、2020年度医学部入試「国公立大学(中国・四国・九州地方)の入試変更点」を解説します!中国地方・四国地方・九州地方では、募集人員における地域枠などが手厚くなっているようです。

ここまで、全国の国公立大学医学部の2020年度入試変更点について解説してきました。

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【2020年度医学部入試】国公立大学入試変更点を解説!募集人員大幅変更!?(北海道・東北地方)
【2020年度医学部入試】国公立大学入試変更点を解説②!地域枠の活用が重要?(関東・甲信越地方)
【2020年度医学部入試】国公立大学入試変更点を解説③!最新情報を要チェック!(東海・北陸・近畿地方)

募集人員の変更だけではなく、出願にあたり知っておきたい地域枠や受験における配点などでの配点にも大きな変更がありました。

今回は、中国・四国・九州地方の国公立大学医学部の入試変更点を解説します。
国公立大医学部の受験を視野に入れている人は、ぜひ最後までご覧ください。

中国・四国・九州地方の入試変更点

中国・四国・九州地方の国公立大学の多くでは、医学部が設置されています。その中で2020年度の入試では募集人員や入試科目など、様々な点で変更があります。

鳥取大学:一般入試(後期)が廃止

鳥取大学では、一般入試にて大きな変更があります。

【一般入試・後期】
後期日程が2019年度実施→2020年度廃止となります。

後期日程の受験を視野に入れていた医学部受験生にとっては厳しい変更であると言えるでしょう。

島根大学: 募集人員が変更

島根大学では、推薦入試および一般入試(前期)にて募集人員が変更となります。

【推薦入試】
募集人員が一般枠:地域枠:緊急医師確保対策枠=25人:10人:5人→25人:10人:9人(島根県枠5人以内)に変更となります。

【一般入試・前期】
一般入試(前期)にて、62人(県内定着枠7人含む)→58人(県内定着枠3人含む)に削減されます。

推薦入試では緊急医師確保枠が増えましたが、その分一般入試(前期)にて募集人員が削減されている点に注意しましょう。

岡山大学:推薦入試導入

岡山大学では推薦入試での変更があります。

【推薦入試】
2019年までは地域枠コースとして実施されていた推薦入試が、文部科学省に認可されなかった場合、一般コースとして推薦入試が実施されます。

またそれに伴い、一般コースの場合は英語外部検定試験が一定のスコア基準に満たさなければならない点に注意が必要です。

広島大学:募集人員にて大幅削減

広島大学では、推薦入試(光り輝き入試)および一般(後期・国際バカロレア)にて募集人員にて大幅削減がなされます。

【推薦入試(光り輝き入試)】
募集人員が広島県コース:岡山県コース=18人:2人→5人:廃止となります。ただし、広島県コースは18人になるように調整中となっています。

【一般入試(後期・国際バカロレア)】
募集人員が後期:国際バカロレア=5人:若干名→廃止:5人に変更となります。

広島大学では大幅に募集人員が削減される一方で、国際バカロレア枠が5人に設定されている点に注目すべきでしょう。

山口大学:募集人員にて大幅変更あり

山口大学では、推薦入試・一般入試(前期)・一般入試(後期)にて募集人員の変更があります。

【推薦入試】
募集人員が全国枠:地域枠(うち特別枠)=7人:15人以内(15人)→5人:22人以内(15人以内)に変更されます。特別枠が、緊急医師確保対策枠5人以内・地域医療再生枠(山口県枠・鳥取県枠)9人以内・1人以内となっている点には変更がありません。

【一般入試・前期】
一般入試(前期)では、募集人員が60人→55人に削減されています。

【一般入試・後期】
一般入試(後期)では、募集人員が10人→10人(地域枠3人以内)に変更になっています。

このように、山口大学では一般入試(前期)で削減された募集人員の分を推薦入試で追加しています。またその追加分は地域枠での追加となっているので、該当地域の医学部受験者には嬉しい変更であると言えます。

徳島大学:推薦入試にて大幅変更あり

徳島大学では、推薦入試にて大幅変更があります。

【推薦入試】
まず募集人員の内訳が変更になります。募集人員42人のうち、2019年度では合格者のうち地域枠から最大17人(そのうち地域特別枠から最大12人)を選抜していましたが、2020年度では、一般枠:地域枠(特別地域枠を含む)=25人:17人となります。また、試験方式が集団討論・集団面接→集団討論・集団面接・地域枠のみ個人面接となります。

2020年度の徳島大学の推薦入試では、地域枠の17人を選抜したのちに、出願に関係なく成績上位者25人を選抜することになります。

今まで以上に地域枠での出願者に有利になると言えますが、その分個人面接が課されるため、対策に力を入れる必要があると言えるでしょう。

九州大学:試験科目・2段階選抜に変更あり

九州大学では、一般入試の科目等で変更があります。

【一般入試・前期】
2次試験科目が英語・理科・数学→英語・数学・理科・面接となり、試験期間も2日間→3日間に変更となっています。また、2段階選抜が約4倍から約2.5倍へと引き下げになっています。

一般入試で面接が追加され、それに対応する形で試験期間も1日増えました。面接だからと油断するのではなく、志望理由や最近のニュースなどしっかり対策するようにしましょう。

佐賀大学:募集人員に大幅変更あり

佐賀大学では、推薦枠にて募集人員に大幅変更があります。

【推薦入試】
推薦入試では、2019年度の募集人員で一般枠:佐賀県枠:長崎県枠=20人:23人:1人=20人:18人:1人へと変更になっています。

【佐賀県推薦】
佐賀推薦では、募集人員が2人→7人に変更になっています。

佐賀大学では、推薦入試で合計44人が39人と5人の削減になっている一方で、佐賀県推薦で5人の増加となっています。ただし、長崎県枠に関しては変更となる可能性があります。

熊本大学:募集人員が大幅減

熊本大学では、一般入試(前期)にて大幅な募集人員の削減となっています。

【一般入試・前期】
一般入試前期では2019年度の募集人員95人→90人へと減少になっています。ただし、そのうち5人は文部科学省へ申請中となっています。

最悪の場合、昨年度より10人も募集人員が削減となる可能性がある点に注意が必要です。

宮崎大学:募集人員に変更あり

宮崎大学では、推薦入試にて募集人員の変更があります。

【推薦入試】
2019年度では一般入試枠:地域枠:特別地域枠=20人:10人:10人→15人:10人:15人に変更となっています、ただし、地域特別枠15人のうち10人は、文部科学省に申請中となっています。

地域枠が5人分減少となっているのは、遠方からの受験を考えている医学部受験生にとっては大きな変更点になると言えそうです。

鹿児島大学:英語外部検定試験の活用方法変更

鹿児島大学では、英語外部検定試験の活用方法が変更されます。

【一般入試・推薦入試】
2019年度までは英語外部検定試験でスコア基準を満たすと、センター試験の英語がみなし満点となっていました。2020年度からは、英語外部検定試験のスコア基準だけではなく、センター英語(筆記)で160点・リスニングで40点以上でみなし満点となります。

英語外部検定試験ではなく、センター試験の対策も必要になる点に注意が必要です。

琉球大学:推薦入試にて募集人員が大幅減

琉球大学では、推薦入試IIでの募集人員が大幅に減少しています。

【推薦入試II】
昨年度まで地域枠14人・離島北部枠3人の計17人を募集人数としていましたが、2020年度では5人となっています。

大幅削減と言えるこの変更ですが、現在昨年度と同様に地域枠14人・離島北部枠3人の計17人の募集人員を文部科学省に申請中なので、昨年度と変更点なしとなる場合もあります。

まとめ:募集人員の内訳変更に注意!

ここまで、国公立大学医学部(四国・中国・九州地方)の2020年度入試変更点について解説してきました。

主な変更点として

  • 募集人員の変更
  • 入試科目の変更

などがありましたが、ここで注意すべきは募集人員の変更です。合計の募集人員は変更がなくても、全国枠が減少されて地域枠が増加していることもあります。つまり、県外または該当地域外からの医学部受験生にとっては不利になり得ます。

このように、自分が受験する可能性のある大学については、入試変更点がないかどうかを募集要項をよく確認するべきでしょう。

自分に合った受験戦略・受験スケジュールがわからない!という人は、ぜひ志門医学舎までご相談くださいね!