子どもが「医学部を受験したい」と言ってきた!こんな時、「子どもが医学部を目指す親として何をすべきか」悩む保護者様も多いでしょう。

そこで今回は、子どもが医学部受験を目指す際に親がまずやるべき3つのことを解説します。


以前までは医師として活躍する親の背中を見て、子どもも医学部を目指すというケースが多かったようですが、最近では親の職業を問わず医学部を目指す受験生が増えてきているようです。

医学部受験は年々加熱し、現在では合格率7%の大変狭き門となっています。しかしそれでも、正しい対策を行うことで医学部合格は誰でも狙うことができます。

そのためには、お子様自身が勉強することと同時に、保護者様からのサポートが欠かせません。

医学部受験で親がまずやるべきこと3つ

受験勉強をする画像

子どもが「医学部に行きたい」と言ってきた時、驚きを感じる保護者様も少なくないでしょう。

特に、身近に医者や医療関係者がいなければなおさらでしょう。志門医学舎でも、しばしば保護者様から「身内に医者や医療関係者がいないからどんなアドバイスをすればいいかわからない」というご相談の声をいただきます。

医学部や医学部受験と聞くと、学力的・金銭的に高いハードルを感じる人が多いことは事実です。だからこそ、そのような子どもの発言に驚きを感じることはごく当たり前の反応であると言えます。

しかしその反面、お子様が見つけた夢や目標を応援してあげたい、というのも親心でしょう。「応援してあげたいけど、何をすればいいかわからない」というお悩みを抱える保護者様は多くいらっしゃいます。

そこで今回は、医学部受験で親がまずやるべきことを具体的に解説していきます。

子どもが医学部を目指し始めた親としてまずしてあげてほしいことは、保護者様が医学部受験についての理解を深め、お子様が勉強に集中できる環境を整えてあげることです。

今回は以下の3つのポイント

  1. 医学部受験について知る
  2. 子どもの学力と志望校を分析する
  3. 集中できる環境を作る

に絞って解説していきます。

お子様が医学部を目指し始めた保護者様や、実際にお子様が医学部受験に臨んでいる保護者様はぜひ最後までご覧ください。

やること1:医学部受験について知る

医学部受験情報誌の写真

医学部受験を目指し始めた親がするべきことの1つ目は、医学部受験についての理解を深めることです。

医学部受験について知ってほしいことは大きく分けて2つあります。それは、入試制度受験料・授業料です。

医学部受験の入試制度やかかる費用は、一般的な大学進学とは異なります。そのため、保護者様ご自身が大学受験を経験されていたり、上のご兄姉が大学受験をすでに終えていたりすると、そのギャップに驚く方も少なくありません。

もちろん、お子様が医学部受験で合格するためには、有利な方法で受験するための正しい受験情報・医学部情報が不可欠です。

お子様の客観的なアドバイザーとして保護者様からのアドバイスはとても重要です。

医学部受験は一般入試が多い

現在の大学入試は、学力試験による一般入試だけではなく、受験者の個性や意欲を重視したAO入試・高校での頑張りを評価する推薦入試など、入試制度が多様化しています。

2019年度・推薦AO実施率

2019年度の入試における推薦入試・AO入試の実施率は以下の通りとなっています。

 推薦入試AO入試
合計723校
(実施率95.8%)
569校
(実施率75.4%)
国立大77校
(実施率93.9%)
57校
(実施率69.5%)
公立大88校
(実施率97.8%)
27校
(実施率30.0%)
私立大558校
(実施率95.7%)
485校
(実施率83.2%)

このように、大学入試において推薦入試・AO入試の実施率は年々上昇していますが、医学部受験においては一概にそうであるとは言えません。

2020年度・医学部の推薦AO実施率

2020年度医学部受験における推薦入試・AO入試の実施率は以下の通りです。

 推薦入試AO入試
合計60校
(実施率85.7%)
13校
(実施率16.4%)
国立大36校
(実施率85.7%)
8校
(実施率19.0%)
公立大8校
(実施率100.0%)
1校
(実施率12.5%)
私立大16校
(実施率55.1%)
4校
(実施率13.7%)

このように、医学部受験における推薦入試・AO入試は狭き門となっており、またその出願に関しては現在住んでいる地域などの制限があります

つまり、医学部受験ではまだ一般入試が主流になっていると言えるでしょう。

私大でも3教科4科目が一般的

一般入試で医学部受験合格を目指す場合は学力が非常に重要になりますが、ここで気をつけたいのが受験科目です。

一般的な大学入試よりも医学部受験で課される科目数は多くなっていることがほとんどです。

    医学部以外 医学部
国公立大 センター 5教科7科目 5教科7科目
  二次試験 1〜3教科 3教科4科目
私立大 個別入試 3教科3科目 3教科4科目

※大学により受験科目は異なります。

このように、国公立大学医学部の二次試験や私立大学医学部では、英語数学IAIIBIIIに加えて、理科(発展)2科目が課されることが一般的です。

面接や小論文、志望理由書対策も必要

また学力試験だけではなく、面接試験小論文試験が実施されることも多く、志望理由書の提出が求められることもあります。

つまり医学部受験においては学力向上だけではなく、面接対策や小論文対策、志望理由書の準備も必要となると言えます。

このように医学部受験では、様々な準備が必要になるため、早期からの受験勉強スタートと効率の良い勉強方法の確立が欠かせないと言えるでしょう。

医学部受験の費用(受験料・授業料)

入試制度だけではなく、医学部受験ではかかる費用も一般的な大学入試とは大きく異なります。

大学受験においてかかる費用として挙げられるのが

  1. 受験料
  2. 入学金
  3. 初年度納入金
  4. 大学在学中にかかる授業料

です。

医学部受験でかかる平均費用まとめ

国公立大学の医学部受験でかかる費用の平均額を見てみると、医学部以外の国公立大学とはあまり変わりがありません。ただし医学部は在学期間が6年のため、その分学費が高くなります

国立大学学費
かかる費用 医学部以外 医学部
受験料 センター試験:18,000円
 二次試験 :17,000円
入学金 282,000円
初年度納入金 817,800円
在学中の学費 2,425,200円 3,496,800円
公立大学学費
かかる費用 医学部以外 医学部
受験料 センター試験:18,000円
 二次試験 :17,000円
入学金 282,000円〜846,000円
初年度納入金 931,235円(学校によって異なる)
在学中の学費 2,544,662円 3,620,280円
私立大学学費
かかる費用 医学部以外 医学部
受験料 35,000円 60,000円
入学金 30万円 100〜200万円
初年度納入金 130万円 290〜1,100万円
在学中の学費 430万円 1,910〜4,726万円

これらはあくまで平均値にすぎませんが、医学部受験においては受験料や入学金の金額が高く設定されています。

またこの他に、教科書代や大学に通学するための交通費などもかかります。

現在では、様々な奨学金や教育ローンがありますが、受験時・入学時には大きなお金が一気に動くことを念頭に準備しておく必要があるでしょう。

やること2:現状の学力と志望校分析

受験の画像

大学入試制度は年々多様化・複雑化しているため、医学部受験で合格するためには正しい知識を理解した上で、受験生の強みや特徴に合わせた受験戦略が非常に重要になります。

そこでここからは、これから医学部受験を目指すためにまず知っておくべき2つのことについて解説します。

学力が高くても医学部に合格できない?

医学部受験に対して「高い学力が必要」というイメージを持つ人がほとんどだと思いますが、実際は高い学力を持っているからといって必ずしも合格できるわけではないのが医学部受験です。

もちろん高い学力は必要ですが、医学部で出題される入試問題は大学によって傾向が大きく異なります

そのため、自分の得意分野・不得意分野や得意な傾向・不得意な傾向によっては合格点を取れない可能性があります。

つまり、医学部受験で合格をするためには、

  1. 自分の現状の学力を正しく把握すること
  2. 自分が志望する大学の過去問分析を行うこと

が重要になります。

まずは現状の学力と志望校分析をする

そこで医学部受験を目指す時にまずするべきは、現状の学力を把握すること志望校の過去問分析を行うことです。

いきなり医学部受験に向けた勉強を始める人がいますが、これは効率が悪い学習になりがちです。

中学3年生であれば受験までの3年間、高校1年生であれば2年間、高校2年生であれば1年間で

  1. 何を
  2. いつまでに
  3. どのレベルまで

できるようにならなければならないのかを明確にする必要があります。

特に医学部受験では、私立大学でも数学III・理科2科目が課されているため、現在の学年の学習内容をしっかり定着させるだけではなく、これから学校で学習するであろう上級学年の学習内容を自ら学ぶ必要があります

現状で苦手になっている単元や不安のある単元を克服させながら、医学部合格に向けて優先順位の高い学習から手をつけていくことで、医学部合格に必要な本当の学力を身に付けることができます。

そのため、医学部受験を始める際にはまず、

  • 志望する大学の過去問からどのレベルまで学力を向上させるべきかを知る
  • 現状での学力を正しく分析する
  • 残された期間で何をどのように勉強するべきかを計画する

と良いでしょう。

志望校分析や学力分析は、塾や予備校などプロの手を借りることが効率的です。

入塾するかどうかは別として、医学部を目指すならまずは塾や予備校の説明会・相談会を利用して今後の勉強方針を明確にしましょう。

志望校が決まっていない時の対処法

「医者になりたいから医学部に行きたい!」と進路の方向性は定まっていても、具体的に進学したい大学はまだ見つかっていないということもあるでしょう。この場合、

  • どの程度まで学力を伸ばすべきか具体的な目標が立てにくい
  • 具体的な進学大学が定まらないことでモチベーションが上がりにくくなる

などのデメリットがあります。

そこで具体的な志望校が決まっていない場合はまず、医者として活躍していく将来像をより明確にしていくことをおすすめします。

大学によって専門とする分野が異なります。そのため、将来関わりたい分野やどのように働いていきたいのかを明確にすることで、進学したい大学が自ずと絞られます。

医師として働く姿が想像しにくい場合は、大学のオープンキャンパスや文化祭に参加して実際に医師や医大生と交流する機会を設けたり、塾や予備校の先生に大学ごとの特徴を聞いてみたりすると良いでしょう。


志門医学舎では現役医大生が講師として授業を受け持っているため、生徒たちは現役医大生と話をしたり相談したりすることで、長期間にわたる受験生生活でのモチベーション管理をしています。

複数の大学に志望校が絞れた段階で、過去問を分析して自分に必要となる学力を把握しましょう。

やること3:集中できる環境作りをする

教室の画像

限られた時間の中で医学部受験に合格するためには、効率よく勉強していくことが不可欠です。そこで重要視したいのが集中できる環境作りです。

集中できる環境というのは実際に勉強する瞬間だけを意味しません。

  1. 効率の良い勉強方法で勉強できる
  2. 勉強・受験に対するモチベーションが上がる
  3. 受験までやるべきことが明確になる

これらが可能となる場所が「受験に対して集中できる環境」と言えます。

現役生こそ集中できる環境作りが重要

特に現役生は浪人生とは違い、高校での授業があります。

浪人生が黙々と受験に向けて勉強している間に、学校で授業やテストを受けるだけではく、なかには学校行事などに取り組まなければならないこともあります。

そこで大切になるのが、これらの活用方法です。

塾や予備校の授業の内容はもちろんですが、医学部受験合格においてはそれだけではなく学校や自宅、塾・予備校での自習など、時間の過ごし方が重要です。

時間の過ごし方に対してアドバイスを受けることができたり、実際に自分に合った勉強方法を指導してくれる環境があることで、より効率的に学力を向上させることが可能になります。

時間の限られた現役生こそ、集中できる環境づくりが欠かせないと言えるでしょう。

塾選びは個性・特性を大切に

お子様が医学部を目指し始めた保護者様からよく「塾や予備校に通わせるべきですか?」という質問をいただきます。

結論から言えば、「塾や予備校に通わないから医学部に合格しない」ということはありませんが、より効率よく勉強するためには塾・予備校は積極的に活用した方が良いでしょう。

なぜなら塾や予備校には、効率的に医学部に合格するためのメソッドがあるからです。

ただし、お子様によって合う塾・予備校があるのと同様に、合わない塾・予備校もあります。

大勢の中で競争することでモチベーションが上がるお子様であれば、ライバルの多い大手予備校は選択肢になるでしょう。一方で、競争することに抵抗があったり、マイペースであまり周囲に流されないタイプのお子様であれば、大手予備校よりも一人ひとりのペースで進められる個別塾の方が効率よく勉強できる可能性が高いと言えます。

どちらにせよ、まずはお子様の現状と目指す目標から逆算した勉強計画を立てることが重要です。一般論ではなく、お子様に合わせたアドバイスをしてくれる塾・予備校の説明会や相談会に参加してみると良いでしょう。

まとめ:医学部受験生の親がやるべきは子どものサポート

ここまで、子どもが医学部を目指し始めた親がまずやるべき3つのことについて解説してきました。

子どもが医学部を目指す時、まず親がやるべきは

  1. 医学部受験についての知識を深める
  2. 現状の学力と目指すべき目標の学力を分析する
  3. 集中できる環境を作る

でした。

医学部受験においてもっとも頑張るのは受験生である子どもたちです。

しかし、子どもたちは人生経験も浅く、大人に比べると自分を客観視して分析したり、将来を見据えて行動したりすることを苦手とする一面があります。

そこで、先を見据えて子どもたちが集中して勉強に取り組めるような下準備をすることが、大人の役目であると言えます。

またそのような保護者様の応援する姿勢が子どもたちの頑張る原動力の一つになることもまた事実です。

医学部受験は長期にわたる戦いです。親子一体となって、医学部合格を目指して行きましょう!

無料学習・進路相談会を実施中!

志門医学舎では、お子様一人ひとりの個性・特徴に合わせたオリジナルカリキュラムで授業を行なっています。また講師は全員現役医大生なので、医師を目指すビジョンがより明確化される環境が整っています。

無料学習・進路相談会を随時受け付けておりますので、これから医学部受験を目指すお子様をお持ちの保護者様は、ぜひ一度志門医学舎にいらしてくださいね!