2021年度大学入試改革が来年に迫っています。
新しい大学入試では英検など英語外部資格試験が必要と言われており、受けるべき資格試験やその方式に不安を感じている高校生も少なくないでしょう。

特に、英検利用を考えている高校生は90%を超えると言われている反面で、従来型の英検は認定試験として利用できないなど、新しい英検への対応に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、

  1. 2021年度大学入試改革における認定試験とは?
  2. 認定試験として活用できる英検「1day S-CBT」とは?
  3. 1day S-CBTの試験形式や申込時期・試験時期

について解説します。

大学入試改革に不安を感じている高校生はもちろん、大学受験を控える保護者様も、ぜひ最後までご覧ください。

2021年大学入試改革における認定試験とは?

2020年大学入試改革では、英検をはじめとした英語外部試験の活用が始まります。

英語外部試験には英検やTOEIC、GTECなどの様々な試験がありますが、新大学入試で活用する英語外部試験には認定試験認定試験ではないものがあります。

認定試験とそうでないものの違いは?

認定試験とは、大学入試センターが管理する大学入試英語成績提供システムに登録できる英語外部試験を指します。

現在では、

  1. 英検
  2. GTEC
  3. TEAP
  4. TOEFL
  5. ケンブリッジ英語検定
  6. IELTS

が認定試験とされています。

大学の出願要件・試験方式として認定試験が求められる場合は上記のいずれかでなければなりません。
一方で、英語外部試験としか指定されない場合は、上記検定以外(例えばTOEICなど)でも大学入試で利用することができます。

認定試験は受検時期が限られている

認定試験のもう一つのポイントは、受検時期が限定されているということです。

一般的には、2年前の試験結果まで活用できることが多いのですが、認定試験では高3の4月〜12月までの試験結果しか活用することができません。

つまり、高2までに高スコアを取っていても大学入試では活用できないため、高3でもう一度受検しなければならないということです。

大学個別試験対策と並行して、外部検定試験対策も行う必要があるため、英語は今まで以上に早期対策が必要だと言えるでしょう。

認定試験として活用できる英検「1day S-CBT」

認定試験の一つに「英検」がありますが、実は従来型の英検は認定試験ではありません

認定試験は1度の試験で英語4技能を測らなければなりません。

従来型の英検では1次試験と2次試験の2回の試験によって英語4技能を測ることになります。

そのため、認定試験として英検を活用したい場合は、新しい英検「1day S-CBT」を受検する必要があります。

新しい英検「1day S-CBT」とは?

実は今まで、認定試験として活用できる新しい英検は「S-Interview」と言われていました。

しかし、2019年7月に日本英語検定協会からリリースされた発表で、大きな変更となったのがこの1day S-CBTです。

S-Interviewは対象受験者が障がいのある受験生のみに限定されます。

それ以外の受験生は新しい英検「1day S-CBT」またはすでに実施されている「英検CBT」のいずれかを活用していくことになりました。

1day S-CBTを受検するか、英検CBTを受検するかは、以下で説明するそれぞれの試験方法で判断すると良いでしょう。

1day S-CBTの試験形式や申込時期・試験時期

新しい英検「1day S-CBT」の試験方式は、従来型の英検に非常に近くなっています。
ここで、英検の各試験についてまとめます。

試験名 認定試験か否か 対象受検者 試験方式
従来型の英検 × 誰でも RLW:紙

S:対面

英検CBT 誰でも RLW:パソコン

S:吹き込み

1day S-CBT 高3生・既卒生 RLW:紙

S:吹き込み

2days S-Interview 障がいのある受験生 RLW:紙

S:対面

※試験方式:R=Reading / L=Listening / W=Writing / S=Speaking

新しい英検「1day S-CBT」の特徴は、英検CBTとは異なり、従来型の英検と同様に紙で試験を受けることができるという点です。

また、従来型の英検とは違い1日で全ての試験を完結できるのは、まだ部活動などで忙しい現役大学受験生には嬉しいメリットと言えそうです。

新しい英検「1day S-CBT」の申込時期・試験時期は?

新しい英検「1day S-CBT」のの試験は1年に2回実施されます。2021年度1day S-CBTの試験日程は以下の通りです。

  • 第1回検定:2020年4月〜7月のいずれか
  • 第2回検定:2020年8月〜11月のいずれか

各検定回での受検できる回数は1回までなので注意が必要です。級をまたいでの受検(複数級の同時受検)はできないようです。

申込みは、予約申込をした後に、本申込を行う必要があります。
※受検級は予約時に申し込みますが、本申込時に変更することも可能です。

検定回 予約申込 本申込 受検
第1回 2019年9月 2020年2月 2020年4月〜7月
第2回 2020年2月 2020年6月 2020年8月〜11月

第1回検定の申し込みは2019年9月〜10月7日となっているので、来年の受験生は一度チェックするようにしましょう。

1day S-CBTの申込方法は?

予約申込・本申込は従来型の英検とは異なり、全てweb申込となります。
学校や塾・予備校・書店経由では申込ができない点に注意しましょう。

受検料は、

  • 予約申込時に3,000円
  • 本申込時に受検希望級の受検料から予約時に支払った3,000円を引いた差額

を支払います。
予約申込段階で支払いが必要であり、予約申込で支払った3,000円は返金されない点に注意が必要です。

また、申込には高校経由で発行される共通IDが必要になりますが、これは本申込時に必要になるので、2021年度第1回に受検する人は2020年2月までに共通IDを取得するようにしましょう。

1day S-CBTの試験会場は?

従来型の英検では、準会場として高校や塾・予備校などでの受検も可能でしたが、1day S-CBTは東京・神奈川では以下のエリアで受検ができるようになっています。

都道府県 都市名(会場数)
東京都 丸の内(2)・秋葉原(1)・四ツ谷(1)・銀座(2)・麻布十番(1)・新宿(5)・渋谷(2)・代々木(1)・池袋(2)・八王子(1)・立川(1)・府中(1)・町田(1)・大島(1)・八丈島(1)
神奈川県 横浜(3)・新横浜(2)・川崎(1)・相模原(1)・横須賀(1)・平塚(1)・藤沢(1)・厚木(1)

現高3生や既卒生の予約申込はどうする?

今の現役受験生や既卒生の中には、今年の受験結果が振るわず、もう1年受験勉強をするという選択をする人もいるでしょう。

来年の第1回の検定を受検するには、2019年9月の予約申込を行わなければなりませんが、今から来年の浪人を予測して申し込みすることは難しいでしょう。

このような現高3生や既卒生に向けては、2020年3月下旬〜4月上旬に第2回検定の予約申込の受付がなされます。

第1回検定の申し込みに関しても現在検討中とされており、今後の情報収拾が非常に重要だと言えるでしょう。

また、認定試験は1day S-CBTだけではなく英検CBTも含まれています。

現高3生や既卒生が来年の大学入試を受験する場合は、英検CBTを活用すると良いでしょう。

2021年度大学入試改革での英検は、英検CBTか1day S-CBTのいずれか!申込時期に注意!

2021年大学入試改革に関してはまだわからない部分も多く、現在の高2生にとってはよくわからないまま英語外部試験への対策をしなければならないでしょう。

現段階でわかっていることは、

    • 大学入試の「認定試験」として利用できるのは、英検CBTまたは1day S-CBTのいずれか
    • 1day S-CBTは予約申込が必要になる
    • 1day S-CBTは従来型英検と試験形式はほぼ変わらない
    • 1day S-CBTはそれぞれの受験回のうちで1回のみ受検できる

でした。

英検をはじめとした英語外部検定試験に対する対策は、ひいては大学入試対策にも繋がります。
早期からの英語対策で、悔いのない大学入試にしましょう!