今回は、センター物理の傾向から考える「センター物理9割の対策法」を解説します。

「センター物理は満点が狙える科目です!」と聞いて、受験生の皆さんはどう感じますか?
「え〜本当かなぁ…」そんな心の声が大半ではないでしょうか。

センター物理では、解答を文字式で求められることが多いため、形式に戸惑う受験生も少なくありません。
しかし実は、センター物理の傾向に合わせた対策法を知ればセンター物理で満点を狙うことは可能なのです。

センター物理で満点が狙える理由

「物理」というだけで拒否反応を示す人もいるほど、物理は難易度が高い科目だと思われています。

では、ことセンター物理に絞るとどうでしょうか?

実はセンター物理で出題される問題は基礎レベル
しかも数学と違って問題量が多くありません。

つまり、物理の基礎基本をしっかり理解していれば、センター物理で満点を取ることは決して不可能ではないのです。

言い換えれば、センター物理で間違えた分野は「まだ基礎が分かっていない要復習分野」ということです。
なので、センター対策だけしていると2次試験で通用しなくなるので要注意です!

もちろん「2次試験対策だけすればいい」わけではありません。
センター物理は途中過程での設問も多く、設問にグラフや図がないなど出題分野・形式に特徴があります。

そこで、2次試験対策で実力をつけつつ、センター対策を行う必要があります。

センター物理の出題範囲は?

センター物理の対策法について解説する前にまずは、センター物理の出題範囲について確認していきましょう。

センター物理は、

  • 力学
  • 電磁気
  • 波動
  • 熱力学
  • 原子

全分野から出題されます。

そのため苦手分野があると高得点が狙えません。

どのような問題が出題されるの?

センター物理は全範囲から出題されますが、出題傾向によって勉強法も変わります。
そこでここでは、センター物理の出題傾向について解説します。

【第1問】教科書例題レベルの小問集合

センター物理第1問は、教科書の例題レベルの小問集合です。
ここでは、2次試験では出題されにくくても教科書には載っている内容が出題されることもあります。
満点を狙うならば、教科書を徹底的に読みこみましょう。

【第2問】電磁気

第2問は電磁気からも出題です。
ここで満点を取るには、イラストから問題を把握することが重要です。

さらに、使うべき公式を見極めミスなく計算する必要があります。
電磁気で覚える公式は多くないのでしっかり演習を積みましょう。

【第3問】波動

第3問は波動からの出題です。
回折格子」「光の動き・像」「音の伝わり方・振動」「ドップラー効果」が頻出問題です。

波動では「なぜその事象が起こるのか」を特に理解しましょう。

【第4問】力学・気体の状態変化

第4問は力学や気体の状態変化が扱われます。
ここでも典型問題が出題されますが、慣れない形式で出題してくることもあります。

運動方程式」「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」などで式が立てられればOKです。

【第5問】熱力学

第5問は熱力学から出題されます。

気体の状態方程式」や「熱力学第一法則」など熱力学での数少ない公式を正しく使いこなせるかが重要です。

【第6問】原子

第6問は原子からの出題です。
この分野は新課程からセンター試験に出題されるようになりました。

そのため2次試験ではあまり出題されない分野です。

大切なのは、基礎基本の理解

センター物理では「なぜその事象が起こるのか」という基礎基本の理解が問われています。

物理は日常生活にあふれていますが、それが起こる仕組みは抽象度が高く、理解しにくい部分もあります。
しかしその曖昧な理解は思わぬ失点に繋がることもあります。

分かりにくい分野は図録などを利用して、理解するようにしましょう!

センター物理はどう対策する?

センター物理は多くが計算問題です。
問題量は多くなくても計算で手詰まると、思った以上に時間がかかり「時間が足りなかった」という事態になります。

そこで、大問1つに使える制限時間を決めておくことが大切です。
さらにひっかけ問題も存在するため、解答がわかってもすぐにマークせず、その場で計算ミス・立式ミスがないかを確認しましょう。

センター物理で重要なのは知識問題対策!

物理的現象や性質に関する知識問題は、2次試験で出題されにくい形式です。
ここは2次試験対策だけでは対応できないので、過去問演習が効率的です。
ある程度解き進めると、出題パターンがわかってきます。

知識問題以外は2次試験対策でカバーできます。
センター過去問で間違えた分野は、教科書・参考書に戻って原理原則の確認をしましょう。

冒頭でお伝えしたように、センター物理では基礎基本が問われているので、不正解は基本の理解不足を意味します。
またセンター物理で解答を選べても、実際に問題を解く力が身に付いているとは言えません。

センター対策でも選択肢を見ずに答えを出して、自力で解答を出せるようにしましょう。

おすすめ参考書・問題集

物理対策の参考書として有名なのは『物理のエッセンス』です。

これは教科書+問題集のテキストなので、まずはこれができるように何周もしましょう。

もちろん、学校の教科書・傍用問題集でも大丈夫です。
センター試験は教科書の内容が出題されるので、問題集で演習をこなせば教科書でも対応できます。

理解しにくい分野は、図録などを使ってイメージを掴みましょう

物理では「何がなぜどのように起こるのか」というイメージが問題を解く上で必要になります。

これらを使って考え方や公式が身についたら、『良問の風』や『名門の森』などでさらに演習をし、過去問を使って2次試験対策、センター過去問にはいります。

新課程部分はセンターの過去問だけでは問題量が足りないので、各予備校の模試や予想問題集を利用しましょう。

センター物理は高得点必須!

センター物理の平均点は60点ほどを推移しています。
しかしここで注意して欲しいのは、受験生の大半は「医学部以外を受験する受験生である」ことです。

国公立大医学部を目指す受験生は9割以上が当たり前、むしろ高得点を取らないと差をつけられてしまいます。

そこで重要になるのが「基礎基本の理解」です。

時々、基礎基本をおろそかにしたまま過去問演習をしている人がいます。
こういう場合、たいていは「焦り」か「過信」が原因です。

「そろそろ過去問解かないと間に合わない」という気持ちから過去問演習をしている人は、一度基礎基本を見直しましょう。
基礎基本がないまま過去問演習をするのは、野球で「スイング練習をしたことないままバッターボックスに立っている」のと同じ。
ホームランはおろか、ヒットすら打てないでしょう。

受験で大切なのは安定して高得点を取ることです。それには基礎基本がなによりも効果的です。
急がば回れの精神で、基礎基本に取り掛かってみてください。

医学部受験における物理は、短期間高効率で高得点を狙える科目です。
得意意識があるあなたも、苦手意識があるあなたも、正しい勉強方法を続ければ必ず伸びます。

「本当に今しなければならない事は何か」を常に意識し、最短ゴールを目指していきましょう!

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